はじめに
いよいよ10月、長崎くんちがやってきますね!
長崎の氏神・諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」は、毎年10月7日から3日間開催される伝統行事。
1634年に始まり390年以上続く奉納踊は国指定重要無形民俗文化財です。
「モッテコーイ」の声が響き渡り、街全体がお祭り一色に染まる長崎屈指の秋の祭りです。
踊町とは?

長崎くんちで奉納踊りを披露する当番町のことを「踊町(おどりちょう)」といいます。
江戸時代の長崎奉行の支配区域をもとにした「惣町絵図」に記載された町々が、その役割を担っています。
踊町は7年に一度の周期でまわってきて、それぞれの町が趣向を凝らした演し物を奉納。
龍踊や船回し、本踊など、勇壮さと華やかさを兼ね備えた演目が披露されます。
また、その年ごとに出演する踊町が異なるため、見られる催しも毎回変わるのが特徴です。
今年の踊町についてご紹介します
(6月1日の清祓順に掲載)
※画像の引用先は参考文献に記載
<上町>上町コッコデショ(うわまちこっこでしょ)

現在、上町が奉納しているのは「上町コッコデショ」。
平成28年(2016年)に始まった演し物で、町のにぎわいづくりを目的に、青年部が中心となって取り組まれています。
この演目は、矢上町のコッコデショを参考にしながら、川を渡る様子を取り入れて構成されているのが特徴です。
また演技に入る前には、神前に整列し、明治天皇御製(めいじてんのうぎょせい)を全員で斉唱するという流れもあり、厳かな雰囲気の中で幕が開きます。
なお、上町ではかつて本踊を奉納していましたが、現在はこのコッコデショへと形を変えています。
@naisho_no_uwamachi
<筑後町>龍踊(じゃおどり)

筑後町では、昭和48年(1973年)から龍踊を奉納しています。
この町の龍踊でまず目を引くのは、3体の龍が登場すること。
青龍が2体、白龍が1体と、複数の龍が狭い踊り場で絡み合うように舞う姿は迫力満点です。
なかでも見どころは、3体が一斉に動く「巴踊り」。
入り組むような動きの中で、ダイナミックな演舞が繰り広げられます。
龍踊はもともと雨乞いの意味を持つとされ、龍衆の黒い衣装は雲、黄色の帯は稲妻を表現しています。
演舞だけでなく、お囃子や衣装にも意味が込められているので、細かい部分にも注目してみるとより楽しめます。
@chikugo.jaodori
<元船町>唐船祭(とうせんまつり)

元船町の演し物は、昭和26年(1951年)に平山蘆江が考案した「入船祭」をもとに発展したものです。
見どころの一つは、船を回しながら軸をずらして動かす「ドラゴン」と呼ばれるダイナミックな技。
さらに、演技の途中でお囃子が入れ替わるなど、場面ごとに展開が変わる構成も印象的です。
掛け声の「ヤーハッ」は、中国語で「福を呼び込む」といった意味があり、演技に華やかさを添えています。
また、現在のくんちにおいて明清楽を生演奏しているのは、この町だけという点も特徴のひとつです。
<鍛冶屋町>宝船・七福神(たからぶね・しちふくじん)

現在奉納されている「宝船・七福神」は、昭和27年(1952年)から続く演し物です。
恵比寿や大黒天、毘沙門天、弁才天、福禄寿、寿老人、布袋といった七福神が宝船から登場し、「賑諏訪社宝入船(にぎおうやしろたからのいりふね)」を披露します。
それぞれの神様の個性を表現した踊りが見どころで、ひとつひとつ異なる動きにも注目です。
また「モッテコイ」の場面では七福神が再び姿を見せ、船を迎え入れるような演出で、全体に華やかさと優雅さを加えています。
@kajiyamachisyouyukai
<今籠町>本踊(ほんおどり)

国宝の崇福寺をはじめ、大音寺や発心寺、大光寺など、由緒ある寺院が点在する今籠町。
この町では、昭和27年(1952年)に検番の出演による本踊を奉納して以降、長らく年番町を務めるのみの期間が続いていました。
その後、他町の演し物を学ぶなど準備を重ね、平成21年(2009年)に57年ぶりとなる本踊の復活を果たします。
さらに平成28年(2016年)には「諏訪祭礼花娘物売姿乃賑(すわのまつりはなむすめものうりすがたのにぎわい)」を奉納し、下駄を使ったタップダンス風の演出が注目を集めました。
@imakagomachi_kunchi
<油屋町>川船(かわふね)

かつては本踊を奉納していた町ですが、昭和48年(1973年)からは川船が登場するようになりました。
演し物は、入場時の重厚な雰囲気にはじまり、網打ちの素朴な動き、そして船回しのダイナミックさへと展開していきます。
場面ごとに異なる表情を見せる構成も魅力です。
また「根曳唄」も見逃せないポイントで、踊り馬場で披露されるのは1番と2番のみとなっています。
4番が唄われるのは最終日、船が町へ戻り、船庫へ納められるその一度だけ。
限られた場面でしか聴けない、特別な唄です。
@aburayamachi_seinenbu
まとめ
以上、今年度の踊町の紹介でした。
今年も長崎の町を熱く彩る奉納踊を一緒に楽しみましょう!
各町のSNSなどを見て、お稽古を見学するのもオススメですよ~。


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