五島列島の名物といえばあごだし!
あごだしとは北部九州地方で「あご」と呼ばれる10㎝程度の小型のトビウオを焼いたものを乾燥させて作られるだしのことです。
すっきりとした上品な味わいが特徴で、博多雑煮など九州地方でも古くから親しまれています。
あごだしになる小型のトビウオは、9月~10月の約1か月間で漁が行われ、全国でも平戸と新上五島町でしか水揚げがされない貴重な魚です!
今回は最盛期のあご漁の様子を、新上五島町地域おこし協力隊のとよさきが紹介をします!
あご漁に密着!
あご漁は二艘曳き漁(にそうびきあみりょう)という方法で行われます。
二艘曳き漁とは、1船団2艘の船が平行に走りながらあごの群れの上を網で引いて網の中に追い込んで獲る漁法です。
あごは秋の季節風である北東風が吹くと、沖から風に押されて新上五島町の近海に入ってきます。
昔から北東の風が吹くとあごが大漁になることから、荒れた海の中で漁を行っています!
あごの水揚げが新上五島町内で最も多く行われているのは、島の北部にある「新魚目町漁協」です。
新魚目町漁協には、町内で最も多い10船団が所属しており、多いときで1日3,000箱以上のあごが水揚げされます。
あごの水揚げは漁師さんだけでなく、漁協の職員、漁師さんの家族、近所の方々など多くの人が集まりみんなで水揚げや選別を行います。
普段は静かな漁港内もあごの時期になると漁船や人の出入りが多くなり、とてもにぎやかになります!
あごだしができるまで!
新魚目町漁協では、あごだしの加工も行っており実際に加工場での様子を見学してきました!
あごだし作りはまず始めにあごを水洗いをしてから、サイズごとに分けて並べていきます。
並べられたあごは高温で一気に焼き上げていき、焼き始めるとパチパチと脂が弾ける音と香ばしい香りが広がります。
あごは高温の炭火で一気に焼き上げることにより、臭みが少なく上品な風味になります。
焼きあがったあごは1週間ほど乾燥をさせて、だし用の焼きあごや粉砕してティーパック式のだしに加工されていきます。
新魚目町漁協で加工されたあごだしは、全国への発送が可能で、ふるさと納税の返礼品としても購入することができます!
あごだしのおすすめの食べ方は、五島うどんの「地獄炊き」という郷土料理です。 「地獄炊き」はアツアツに湯がいた五島うどんを生卵とあごだしにつけながら食べるうどんの食べ方で、つるつるの五島うどんとあごだしの風味との相性は抜群です。 地獄炊きは、町内のうどん店で食べることができるので、訪れた際には食べてみてください!あごだしの食べ方