【長崎くんち2019】本番直前!庭見せと人数揃いをレポート

お祭り

残念ながら2022年の長崎くんちも中止となってしまったようです。3年連続でおくんちが見られないなんて。。。こちらは2019年の体験レポートです。こちらでおくんちをお楽しみいただければ幸いです。

 

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長崎くんち2019 庭見せ

10月3日(毎年同日開催)に行われる庭見せは、町のシンボルとも言える傘鉾や、奉納で使われる曳物(ひきもの)、楽器、道具や衣装などがお披露目される日です。知人などから贈られた「御花(おはな)」と呼ばれるお祝いの品などとあわせて盛大に飾り付けられる他、祝いのお酒などの振る舞いもあります。

本番に向けて伝統技の粋を尽くして仕上げられたものが間近でみられるとあって、子どもから大人まで多くの人が足を運びます。
町のことや伝統文化のことをちょっとだけ予習していくと、より楽しめそうです。

御花には、まだ動いている伊勢海老や鯛などの新鮮な魚介類に、縁起蒲鉾、長崎の伝統菓子である桃カステラ、桃饅頭、飴細工、秋の実りを感じさせる栗や柿などなど、贅を尽くした数々が並び、そちらも見どころとなっています。

各踊り町で行われる庭見せ。
早いところでは17時からスタート!
4日に行われた人数揃いの様子とあわせて、踊り町ごとにレポートしていきます。

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長崎くんち2019 人数揃い(にいぞろい)

人数揃い(にいぞろい)とは、毎年4日(庭見せの次の日)に実際の衣装に袖を通し、演技をしながら、演し物の稽古が立派に仕上がったことを町内に披露して周る行事です。
傘鉾を先頭に町の人たちで行列を作りご挨拶をしていきます。

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玉園町 傘鉾/獅子踊り

興福寺、崇福寺、福済寺とともに「長崎四福寺」のひとつとして知られる聖福寺がある玉園町。
昭和38年の町名変更の際、玉園山のふもとに位置することから町の名前の由来となったそうで、その玉園山とは、ズバリお諏訪さんがある山のこと。

庭見せ会場は、長崎歴史文化博物館でした。

傘鉾は、玉園山の諏訪神社に因んで、榊、鈴、烏帽子、中啓(扇の一種)に注連縄と神事にまつわるものが見てとれます。
垂(たれ)は、前日に使われる「旭に雲の曙」(写真左側)と、後日に使われる「秋の七草」(写真右側)の2種類。

獅子踊りで使われる唐獅子は、見せ場である獅子が牡丹の花の蜜を吸う場面が再現され、今にも動き出しそうな迫力。個性豊かな表情をひとつひとつ間近でじっくりと眺めることができました。

玉園町のTシャツも販売されており、着ていたら、庭先回りで頭を噛んでくれるという縁起のいい特典付きだとか。

4日の人数揃いは、桜町小学校からスタート。
学校のお友達が出演しているとあって、〇〇君\ヨイヤー/などの声も掛けられ、とても盛り上がっていました。

このあと、町内を一周し、歴史文化博物館へ。

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魚の町 傘鉾/川船

「公会堂跡地(市役所予定地)」と「長崎市民会館」を含む魚市場跡地に位置する魚の町。
それに因んで古くから川船を奉納してきたとのこと。

もちろん傘鉾も、鯛、海老、ワセ(マトウダイ)といった高級魚に、魚籠、竿、うたせあみまで長崎伝統のビードロ細工で見事に表現されています。
竹製の蛇籠にさざれ石が詰まった特徴的な輪からもこだわりを感じますね。

魚の町の庭見せは、なんと12箇所!
町じゅうを人が行き来して、かなり賑やかでした。

なかでも長崎刺繍を纏った飾り船頭の衣装は抜群の見応え。

そして、これまでの稽古の様子を写真や映像で紹介するブースも。

川船は、江崎べっ甲店の店先に。
飾り付けが全て終わり、提灯が灯ります。

4日の人数揃いも江崎べっ甲店からスタート。
人集りも多く、近くまで行けませんでしたが、このあと町中を曳いて歩く姿と何度か遭遇することができました。

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江戸町 傘鉾/オランダ船

出島に架けられた石橋によって唯一の出入り口として往来のあった江戸町は、文字通り長崎の江戸!町内には長崎奉行所跡も。
江戸町には、”タコのマクラ”と呼ばれるオランダ商館長から贈られた町紋が残されています。
J.D.Mを組み合わせたかたちで、いろんなところに見つけることができます。

傘鉾は、猫足台の上に背中合わせに朱塗杯と染付け皿が、下には洋酒器が置かれています。
ビロードの輪には、裏に洋文字で「Jedomachi」と書かれているのが印象的でした。

江戸町の庭見せ会場は江戸町公園。
18時からは30分おきに囃子の演奏も披露されました。

ロイヤルブルーに輝く船体にしっかりと帆もはられ、ピカピカに磨かれた楽器を乗せ、いよいよといった感じです。

子どもたちの衣装がめちゃくちゃ可愛いので、必見です。早く袖を通したところが見たい!

4日の人数揃いは、残念ながら観に行くことができなかったのですが、江戸町商店街をスタートし、江戸町公園に加えて2017年に完成した出島表門橋公園での披露もありました。
かなりいいロケーションだったのではないかと思います。

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籠町 傘鉾/龍踊り

唐人屋敷のすぐ側に位置し、中華街とも隣接する籠町は、唐人から受け継いだ踊りで「龍踊りの本家」とも称されています。

傘鉾には、龍踊りに欠かせない唐楽器が配され、輪にも宝珠の左右に阿吽の双龍が刺繍されています。

ちょうど舞台上で囃子の演奏が披露されていたところだったので、その音に誘われるように庭見せ会場へ。

庭見せでは、約50年ぶりに新調された龍がお披露目され、ひと目見ようと集まった人々が長蛇の列を作っていました。鱗の一枚一枚まで艶やかで勇壮な姿をみることができました。

庭見せでしか買えない配色の手拭いを含むタオルと扇子の限定セットも販売されていました。

4日の人数揃いは、湊公園で演技披露が行われました。残念ながらこちらも観に行くことはできなかったのですが、これまで場所踏みで使用していたものよりさらに重たくなっているとのことで、その迫力も増していたのではないかと思います。
本番が楽しみです。

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今博多町 傘鉾/本踊り

昔の花街があった所とされ、本博多町に対して新しく博多商人の町ができ、遊女が移り住んだことで今博多町となった経緯があります。
長崎くんちの初めから関わりの深い由緒ある町として、伝統的に古式の本踊りを奉納してきたとのこと。

傘鉾は、その垂れに大きく三社の紋が織り出してあるのが印象的です。飾りに配された火焔太鼓にも三社紋。

本踊りでは、6人の踊り子がお諏訪さんの秋の大祭を祝いに長崎港から飛んでくる鶴を表現します。

4日の人数揃いは桜町小学校をスタートし、国保会館、宮の下公園で披露されました。

本番の衣装に着替え、お化粧した踊り子たちが、鶴の羽に見立てた絹衣をはためかせて優雅でしなやかに舞う姿がお披露目されました。

この記事を書いた人

長崎生まれ
広島大学で建築設計を学ぶ。
Berlin-Germanyを拠点とし、Wien〈ウィーン〉ではSHAREarchitects、Dresden(ドレスデン)AderArchitektenに勤務。
帰国後、こどもとのワークショップに力を注ぐ。

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