長崎の坂を登った先。
ふと振り返ると、眼下に広がる街並みと緑の山々──。
そんな場所にひっそりと佇む古民家カフェ「珈琲 吉田屋」さんに行ってきました。

陽の光がやさしく差し込む畳の部屋。
繊細な装飾が施された椅子、手入れの行き届いた庭園。
そこに腰かけた瞬間、まるで時間がゆっくりと流れ出すような心地よさに包まれます。
吉田屋のメニュー
吉田屋でいただけるのは、コーヒー・抹茶・ビールの3品のみ。
あえて数を絞ることで、ひとつひとつへのこだわりが際立つ贅沢なラインナップです。
エチオピア産スペシャリティコーヒー(お茶菓子付き) 500円
香り豊かでコク深い味わい。
プレス式で丁寧に抽出された一杯は、上品な苦みとすっきりした後味が特徴です。
この日はチョコやクッキーなどのお茶菓子付きでした。
宇治抹茶(お茶菓子付き) 500円
鮮やかな緑と繊細な旨み。
ほどよい渋みと香ばしさが、粒あん最中の甘さをやさしく引き立てます。
器や葉のあしらいにまで心遣いが行き届いています。
ビール(おつまみ付き) 500円
この日はいただきませんでしたが、ビールもあります。
おつまみとともに、縁側での一杯も格別かもしれません。
絵画のような空間で過ごす、至福の時間
赤い絨毯、窓の外に広がる庭園、飾られた美術品や家具。
すべてが調和し、一歩ごとに物語の中へ迷い込んだような気分に。
お部屋の中には、中国画や長崎南画、景色を描いた絵などが所々に飾られていています。
画家でもあるオーナー・吉田さんに尋ねると、作品や背景について気さくにお話してくださいました。
お庭からは、長崎の名峰・彦山を眺めることもできます。
百年の時を刻む、土佐藩士の邸宅で
この建物は1912年に、三菱の大番頭として活躍した山田耕作氏が建てたもの。
日本の伝統的な木工技術「木組」を使い、釘やボルトを一切使用せずに組み上げられた、まさに“本物”の日本建築です。
その歴史と美しさは評価され、第23回「長崎市都市景観賞 奨励賞」を受賞。
建築美はもちろん、窓から望む長崎の街並みや山々の眺望も圧巻です。
アクセスは、ちょっとした冒険

吉田屋は高台にあるため、訪れるには長い石段を登っていく必要があります。
でも、登った先には「この坂の上に、こんな空間が…」と思わず息をのむ世界が待っています。
途中で振り返ると、長崎の街と山が一望できる、まさにご褒美のような絶景も。
週3日だけ開く、秘境的な空間
週3日だけ開く、貴重な隠れ家カフェ。
静けさと贅沢が詰まったその空間は、日常を忘れる特別なひとときを届けてくれます。
旅の途中にも、地元の日常にも。
誰かにそっと教えたくなる、とっておきの一軒です。
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Instagram:@cafeyoshidaya
営業時間:11:00~16:00
営業日:土日月
アクセス:バス停「諏訪神社前」徒歩9分
駐車場:なし
現金のみ
お一人で営業されています。ご理解のほどよろしくお願いします。
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