こんにちは、メイです。長崎市には沢山の文化財がありますが、中には解体される予定だった国指定重要文化財も存在しています。それが現在の旧香港上海銀行長崎支店です。
銀行としての役割を終えた後、一度解体して別の建物として生まれ変わる計画が立てられましたが、それを知った市民は10万人の署名を集めて解体を阻止させました。
多くの市民に親しまれてきた旧香港上海銀行長崎支店はどんな役割があったのか、現在はどのような記念館になっているのかをご紹介していきます。
また、香港上海銀行長崎支店の歴史に詳しくなくても、レトロな建築物や装飾品が好きな人も楽しめる3つの見所もまとめています!
明治25年開設・香港上海銀行長崎支店の歴史
画像引用:長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館
幕末の頃から長崎には香港上海銀行の代理店が置かれていましたが、1892年(明治25年)に長崎支店が開設されました。
この長崎支店は神戸より西にある銀行では唯一の外国銀行で、外国人の貿易商をメインの取引先としていました。主な業務は外国為替や、ロンドン・上海・香港における外貨の売買です。
建築界の異才・下田菊太郎が設計した唯一現存する建物で、石造り洋館としては長崎市内で最大級です。下田菊太郎とは明治から昭和初期まで活躍し、国会議事堂の設計にも携わった建築家です。
香港上海銀行長崎支店は1931年(昭和6年)に閉鎖され、梅香崎警察署・大浦警察署の庁舎、長崎市歴史民俗資料館としても利用されてきました。
10万人が署名!現在の記念館になるまでの動き
1991年
市民の声により、建物の調査や保存修理をスタート。半解体修理とともに、装飾部などの復原を行った。
1995年
建設当初の姿を再現し、1996年10月に「長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館」を開館させた。
2014年
「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」を併設して、リニューアルオープンをした。
元々は建物を解体して、「国際交流会館」が建てられる案が出ていました。しかし計画を知った市民は「旧香港上海銀行を守る会」を発足し、10万人という署名が集めて反対しました。
この市民の声によって、修復工事をすることになったのです。地元の人から親しまれている建物だったんですね。明治の貴重な遺構が残されることになって良かったです。
長崎市旧香港上海銀行には何があるの?
1階 多目的ホール
小音楽会などが開催できる多目的ホールで、香港上海銀行の歴史が分かる展示物があります。
2階 孫文・梅屋庄吉ミュージアム
中国革命の父・孫文と長崎の実業家・梅屋庄吉の友情物語、華僑の長崎での活躍や歴史が紹介されています。
3階 長崎近代交流史
国際貿易港・長崎の歴史、香港上海銀行を設計した下田菊太郎の歴史などを紹介するコーナーがあります。
記念館に何があるのか分かりましたが、その中でも何処に注目したらいいのかをご紹介しますね♪
歴史に詳しくなくても楽しめる3つの見所
画像引用:長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館
①入港する人々の視線を意識したデザイン
存在感のある石造りの洋館で、1階部分は連続アーチのアーケード、2・3階はジャイアント・オーダーと呼ばれる古代ギリシア建築における建築様式となっています。
屋根の上にもギリシア風の装飾が施されるなど、入港してきた人々の視線を注目させるようなデザインになっていますよ。
②銀行時代から現存しているカウンターにも注目!
1階には銀行時代に使用されていた、長いL字カウンターが現存しています。重厚感のあるカウンターからは、当時の銀行の様子が伝わってきます。
③細部まで楽しめるインテリアで明治時代に思いを馳せる
3階まで続ている螺旋階段や手すり、壁や天井も目を見張るような装飾になっています。
どこを見てもデザインや装飾品まで華やかで美しいので、レトロな雰囲気が好きな人にはとてもオススメです!
電話:095-827-8746
時間:ミュージアム9:00~17:00
入館料:高・大・一般 300円、小・中学生 150円
休み:毎月第3月曜(祝日の場合は翌日が休み)など
URL:http://www.nmhc.jp/museum/index.html
いかがでしたか?建物の外観や内装にも魅力があり、長崎の歴史も楽しめる記念館になっています。ぜひ一度足を運んでみてくださいね。