こんにちは。我が子がおくんち出演、アケガワです。
いよいよ10月に入り、まもなく長崎の大祭「長崎くんち」が始まります。
「くんちに出演している知人・友人に『御花(おはな)』を送りたい!」と考えている人も多いはず。
しかし、「御花を送りたい!だけど、送り方が分からない!」というあなたは必見!
この記事では御花について解説しています。
御花とは?
御花とは、長崎くんちの踊り町やその町の出演者へ送られるご祝儀のことです。
ここでは長崎くんちの出演者へ送られる出演祝い(ご祝儀)の「御花」について説明いたします。
一般的には、お金や品物など内容に関わらず、まとめて「御花」と呼ばれています。
贈られた御花は、10月3日に行われる「庭見せ」で衣装や演し物と一緒にお披露目されます。
何を贈る?
地元の商店で購入することで地域経済に貢献する意味合いから品物を贈るのが慣例ですが、お金を包む場合もあります。
古くは恵比寿様や大黒様のお面、鯛や海老、お祝いを表す菓子細工などを贈っていたようです。
現在も鰹節の〆飾り、鯛や伊勢海老、栗饅頭、砂糖細工の鯛や千代結びなどの縁起物が代表的ですが、和菓子や蒲鉾、生花もありますし、男性にはお酒、女性には装飾品、子どもにはおもちゃ、ジュース、果物、お菓子、洋服なども多いです。
「相手がどんなものが好きか分からないけれど、現金を贈るのはためらう」と、ギフトカードや図書カードなどを選ばれる方もいらっしゃいます。
御花につける「熨斗」や「花紙」はどう書くの?
ここは長崎くんち独特の文化ですね。御花につける熨斗は下記の通りです。
熨斗の書き方
- 表書き: 「御花」と書きます。
- 贈る相手の名前: 表書きの左横に「○○さん江」や「○○様」などと書きます。(書かない場合もあります)
お金や金券を包むご祝儀袋も、これに同じです。
5,000円程度…「御花」の字が印刷された物
10,000円以上…印刷ではなく筆で書かれた物
が望ましいという意見もあります。迷ったら販売店の方に相談してみたら安心ですね。
花紙(はながみ)の書き方
熨斗とは別で、花紙というものがあります。笹竹の上に朱色で「花」と大書きした柄が印刷してあり、金銀の水引きを付した紙で、長崎独特のものです。
- 宛名: 花紙の裏に「○○様へ(子どもはちゃん・くんと書く場合も)」と宛名を書きます。
- 差出人氏名:中央下に差出人の町名や名前を記載します
※花紙の上に「御花」と記載しない場合もあります。
熨斗や花紙は2つとも必要なの?
結論から言うと、花紙は必要、熨斗はつけられる物だけ(箱物など)つけるということが多いです。
果物のカゴ盛りや、箱に入っていないおもちゃなどは中身を見せるためにも熨斗がついていない物をよく見かけました。
花紙は庭見せの際、軒先に建てられた笹竹に水引で結ばれて御花の品と共に披露されます。
花紙や熨斗はどこに売っている?
花紙や、御花と書かれている熨斗は踊町区域にある文具店に売っていることがあります。先日石丸文行堂本店に行った際、表に置いてありました。
嬉しい筆耕サービス
書道スタジオStartの先生が石丸文行堂本店前で筆耕してくださいます!(有料)
・期間 9/27金〜10/3木
・時間 10:30〜15:00
「花紙に字を書くのが不安!」という方は、この機会にぜひ頼まれてみてはいかがでしょうか?
御花の予算はどのくらい?
予算はその人との関係や、年齢、立場などから変わってきますが、
・関係が近しい方…10,000円程度
と考える方もいます。
果物屋さんや焼き菓子屋さんでは、5,000円〜10,000円の価格帯で設定されているお店をちらほら見かけます。
以前、酒屋さんで御花を依頼した際も、ビール1ケースが約5,600円だったので、それくらいの予算が一般的なのかもしれません。
お子さんになると選ぶものによってもう少し予算が下がる場合があります。
また、船頭さんや長采など踊り町の代表的な出演者にはさらに高額の物を贈ることもあるようです。
迷ったら「相手に喜んでもらえるもの」「気持ちの伝わるもの」を贈ればいいかと思います。
いつ、どうやって渡す?
いただいた御花は10月3日の庭見せに飾られるので、一般的には庭見せ前に会場へ届けることが多いです。
前日までに届けるのが原則という説もありますが、先日私が依頼した酒屋さんや果物屋さんは当日配達をするとのことでした。
自分で持参する場合は、各踊町に「いつ届けていいか」と聞くのが無難です。
出演者はどこでわかるの?
「人づてやSNSで友人や友人家族が出演することを知ったけど、他に出てるかもしれない!?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが…
安心してください、赤本がありますよ。
画像の小冊子「長崎くんち」というものがあります。「番付」のことで通称「赤本」と呼ばれているものですよ。これには出演者や配役などが細かく書かれているので他に誰が出ているか調べてみてはどうでしょうか!?
私の友人も赤本が出ると熟読して御花を贈る相手に漏れがないか調べるようです。
なお、好文堂書店さんや大正堂さん、メトロ書店さんといった町の本屋さんには置いてありました。
初心者は配達可能なお店を選ぶべし
「熨斗やら花紙やらルールが難しい」という方は、店頭に「御花予約承ります」とお知らせがあるお店にまとめて頼むのがスムーズです。
そのお店に御花を贈りたい旨を伝えて注文すれば、包装はもちろんのこと、作法通り熨斗や花紙に記載をしてくれます。お店によっては配達サービスをしてくれるところもあるのでとてもありがたいです。
その際は、贈る相手の町名・名前を伝えます。「詳しい漢字が分からない!」という場合も大丈夫。御花の贈り物を取り扱っているお店はほぼ100%赤本(おくんち出演者名簿的なもの)が置いてあるので、それで確認することができます。
予算や内容を相談しながら決められるので、慣れていない方には安心です。
御花は贈るのももらうのも楽しい
いかがでしたでしょうか?長崎くんちの御花について少しでもお役に立てれば幸いです。大切な方への御花を贈る際には、ぜひ参考にしてみてください。
・土肥原弘文著「改訂版」諏訪神事 長崎くんちのしくみ〜変わらないように変わるために〜
・長崎伝統芸能振興会「長崎くんちの栞」