季節の訪れを告げる旬の食材。
太陽と大地の恵をいっぱいに受けた旬ものは、美味しく頂くだけでなく、栄養価も高く、免疫力アップや抵抗力アップにつながるといいます。
私は、免疫力も体力も全くもって自信がありません。少しでも丈夫な身体づくりに役立てたい。
いつもの食卓に旬のものを取り入れるだけで、心も身体もちょっぴり豊かに。
美味しいものを美味しいときに!
地形、歴史、文化が育む長崎の食をぜひ楽しみましょう!
長崎を代表する農産物
周囲を海に囲まれた斜面地の多い長崎は、温暖で、イチゴ、トマト、びわ、お茶といった多くの恵みを育んできました。
江戸時代に、オランダや中国などから海を渡って伝来したものも多く、長崎特有の確かな歴史と生産者さんの熱い思いが込められています。
全国へ出荷されるような地域ブランドを担う特産品もたくさん。
地元で採れたものを地元で消費できることは、とっても贅沢なことのように思えます。
【島原半島】長崎いちご『さちのか』『ゆめのか』
長崎いちご 収穫時期/12月〜5月
本来の旬は春ですが、クリスマス需要の高まりから冬のイメージも強いかもしれません。
実際、イチゴ狩りも12月頃から始まります。
最盛期は、2月中旬から4月上旬あたりです。
長崎におけるイチゴ栽培の歴史は古く、江戸時代末期、オランダ人によって持ち込まれたのが始まりだとか。
現在は、島原半島を中心に県内各地で栽培されています。
これまで長崎といえば「さちのか」もしくはその生みの親である「とよのか」でしたが、近年は愛知で開発された「ゆめのか」も本格的に栽培が進み、長崎でもお馴染みとなりました。
「ゆめのか」は、大粒で見栄えも食べ応えもあり、酸味と甘味のバランスがいい苺として、人気です。
また、「長崎さちのか」は、糖度も高くビタミンCも豊富に含まれるとのことで、この時期積極的に食べていきたい苺です。
断面がハートになる長崎の高糖度トマト
長崎で近年注目を集める高糖度トマト。
一般的なトマトの糖度が4〜5度なのに対し、フルーツトマトは水遣りを極力抑えるなどして糖度を高めたトマトになります。
糖度10度以上になる甘〜いものも。
品種名ではないので、元になる品種は様々。
長崎では、日照量が多く冬場でも温暖な気候であることから「冬春トマト」の生産が盛んです。
【高島】たかしまフルーティートマト『ハートの女王』他
収穫時期/2月中旬~5月中旬
【糖度10度以上】ハートの女王
【糖度9度】情熱ハート
【糖度7度】純情ハート
かつては炭鉱で栄えた長崎の島、高島より糖度10度以上のフルーツトマト「ハートの女王」他。
水を極限まで与えないスパルタ農法で、全国メディアにもたびたび取り上げられています。
フルーツみたいな甘さで冷んやりひやしてそのまま食べるのが一番美味しい!
料理するのがもったいないくらいですが、甘さだけでなくその濃厚さも魅力。
料理にコクと深みが出ます。
トマトが苦手な子どもたちにもぜひ食べてほしいトマトです。
ちょい辛スパイシーな大人のトマトカレーも好評。
たかしま農園
https://www.takashima-nouen.com
実は、メロンも作っています。
スパルタなトマトとはうってかわって超甘やかされて育った箱入りメロンです。
【西海】大島トマト『ルビーのしずく』
収穫時期/2月〜5月
【糖度9度以上】ルビーのしずく
ポピュラーで大玉な「ファースト」という品種のトマトを使い、節水ストレスを与えることで小ぶりの果実に濃縮したフルーツトマトです。
そのため、カリッとした歯応えのある食感も特徴になります。
大島トマト狩り
大島造船所の農園では、トマト狩りもできます。
綺麗なハートのトマトを探しましょう!
大島造船所 農産グループ
所在地:長崎県西海市大島町1131-1
開園時間:9:00〜15:00 (最終受付時間)
[2月]毎週土日祝 [3月〜5月]毎日開催
入園料:土日祝のみ中学生以上 300円
*平日及び小学生以下は無料です。
収穫したトマトは、100g150円で買取りです。
https://www.osy.co.jp/agri/index.html
【川棚】小串トマト
収穫時期/1月〜6月
平成2年に「農林水産大臣賞」を受賞した小串トマト。
甘みとうまみに秀でた「華美(はみ)」という品種を使い、トマト本来の味と風味を追求。フルーツのような甘さに加え、うまみと酸味のバランスがとれた瑞々しいトマトです。
果皮は薄く、実も柔らかいので食べやすい。
ドレッシング、ミートソース、鍋スープなどの加工品も売り出しています。
【雲仙】大雲仙トマト『特ちゃん』
糖度8度以上の甘みの強いもののみを厳選、糖度10度程度になると、「特ちゃん」として。
えぐみが少なく爽やかな食感が特徴です。
【川棚】長崎グリーンアスパラガス『春アスパラ』『夏アスパラ』
春アスパラ 収穫時期/2月~5月
夏アスパラ 収穫時期/6月~10月
アスパラガスは、江戸時代オランダ人によって伝えられました。疲労回復にも効果があるとか。
全生産者で「エコファーマー」の認定を受けているという川棚町のグリーンアスパラガスは、減農薬・減化学肥料などにも取り組んでいます。
また、琴海地区ではホワイトアスパラガスも。
日本ではマイナーですが、ヨーロッパでは春の訪れを告げる味覚として、みんな待ち遠しにしています。
長崎産のホワイトアスパラ、見かけたら絶対買います!
【東彼杵】そのぎ茶
そのぎ茶 4月中旬〜5月中旬(新芽摘採)
「茶摘み」は春の季語ですが、「新茶」は夏の季語!初夏の訪れをいち早く感じることができるのが新茶です。
長崎におけるお茶の歴史は古く、そのぎ茶のルーツは遣隋使・遣唐使の時代まで遡るそう。
幕末には、女貿易商として知られる大浦慶さんが長崎から海外へ日本茶を輸出していました。
世界的に注目され、全国的にも拡がる近年の日本茶ブームは、その良さや奥深さを知るいいきっかけになりました。そのまま定番になるといいな。
長崎そのぎ茶
http://www.sonogi.jp/sonogicha/
全国茶品評会で3年連続日本一!
2019年の全国茶品評会において「蒸し製玉緑茶部門」で、農林水産大臣賞(個人)と産地賞(東彼杵町)ともにW受賞を果たすなど、高い評価を得ています。
これは、3年連続日本一の快挙です。
大村湾を望む山の斜面に広がる東彼杵町の茶畑。
香り豊かで上質な茶葉を育みます。
初ものは縁起がいい!とも言いますし、近年は日本茶ブームもあり、より注目を集めています。
とっておきのお茶請けを準備して楽しみたいです。
【茂木】長崎茂木びわ『なつたより』
ハウス栽培 収穫時期/2月~4月
露地 収穫時期/5月~6月
長崎は、日本一のびわの産地です。
江戸時代末期に唐から長崎に持ち込まれたびわ。
長崎では初夏の訪れを感じる馴染みの果物です。
なかでも、「長崎早生」と「福原早生」を交雑してできた「なつたより」は大玉で果肉も柔らかく、甘くてジューシー。
びわが丸ごと入った茂木びわゼリーやスイーツ、枇杷茶などのびわ加工品も長崎では定番です。
長崎びわ
http://www.nagasaki-biwa.com
びわフェスタ/びわまつり (5月)
毎年、浜町ベルナード観光通りで開催され、地方発送も盛況です。私も県外在住の頃は、親戚や家族がよく送ってくれました。
当日は「なつたより」と「長崎びわ」の試食もできます。
開催時期:5月下旬もしくは6月初旬の土日
場所:長崎市ベルナード観光通り
時間:10:30〜
【松浦】松浦アールスメロン『爽潤果』
爽潤果 収穫時期/5月〜6月
高級フルーツとして名高い「アールスメロン」。
松浦の「爽潤果」は1本の株に1玉しか作られず、出荷基準糖度は14度以上、平均糖度は16度の特別なアールスメロンです。
もちろん形や大きさも良く、贈答にもおすすめ。
7月下旬と12月上旬に行われる即売会は要チェックです。
【雲仙】愛の小町(赤土馬鈴薯)
愛の小町 収穫時期/3月〜5月
ジャガイモの語源は、オランダ人によってジャワ島のジャガタラを経由して長崎へ伝来したことから。当初はジャガタライモと呼ばれていたそう。
北海道についで生産量2位を誇る長崎のじゃがいも。
「愛の小町」は、旧愛野町の愛野と、三大美女で知られる小野小町から名付けられたブランド芋です。使われている品種は1971年に出島にちなんで登録された「デジマ」。
ミネラル豊富な赤土で育ち、表面が薄っすら赤っぽいです。
ホクホクとしていながら煮崩れしにくいのが特徴。煮込み料理や蒸かし芋に。
【琴海】長浦すいか
長浦すいか 収穫時期/6月〜
糖度が高くみずみずしい甘さが魅力の長浦すいか。100年以上も前から栽培されているそう。
長崎を代表する水産物
長崎では、四季折々のお魚が楽しめる!
長崎で獲れる魚種は200種類を超え、日本一多いと言われています。
いつも、新鮮で美味しい季節のお魚がいただけるとは、なんて贅沢なのでしょう!!
長崎に帰ってきてから、お魚を食べる機会は格段に増えました。
魚には全く詳しくなかった私も、長崎で主に釣れる魚と魚屋さんに並ぶ魚の季節ぐらいは言えるようになったかな。
こんなに身近で美味しいのだから、もっともっと意識して食べていきたい!
【対馬】黄金あなご (穴子)
対馬近海 旬/3月〜7月
意外と知られていませんが、全国1位を誇る漁獲高のお魚4種のうちのひとつが穴子です。
海流が速く餌が豊富な対馬西沖の漁場は全国的にも有名。
そして、ブランド魚として知られる対馬の「黄金あなご」は絶品!!
脂が乗った対馬の穴子は驚くほど肉厚です。
お刺身で提供してくれるお店も。
長崎三大ブランドあじ
絶対おさえたい!
春先から夏にかけての長崎の魚といえばアジ!!
長崎県はアジの漁獲量日本一!
DHA、EPA、カルシウムビタミンが豊富に含まれる天然の健康食です。
みんな大好き!!長崎人が愛してやまない郷土の味。夏休みには、堤防でサビキ釣りをする家族の姿もよく見かけます。
そして、三大ブランドあじも要チェック。
アジといえば庶民のお魚というイメージがありますが、高級魚と肩を並べる品質と絶品の美味さです。
長崎にお越しの際は、ぜひ食べてほしいと思います。
【三重】ごんあじ
五島灘 旬/5月〜6月・10月〜11月
ごんあじは、五島灘の特定地域で獲れる長崎ブランドの魚です。
五島灘の「ご」と黄金色の「ごん」から付けられた名前だそうで、250g以上のサイズで、体が黄金色に輝いているもののみを「ごんあじ」としています。
獲ったあとは、海上のいけすで餌を与えずに約1週間。脂が体全体にまわったまさに霜降り状態!になるのだとか。
長崎市新三重漁業協同組合
http://www.jf-shinmie.or.jp/tyokubaijo.html
直売所:ごんあじの郷
所在地:長崎市京泊3-1929番地20(がんばランド内)
https://ganbaland.jp
【松浦】旬あじ (トキアジ)
五島・対馬海域 旬/4月~8月
日本有数のアジの水揚げ量を誇る松浦。
五島・対馬海域で獲れる100グラム以上のマアジを「旬あじ」といい、この時期のアジは脂がのったまさに旬の味覚!
そして、この旬アジを一夜干しにした干物は、一級品として取り扱われる高級食材。
魚の旨味を存分に堪能できます。
日本遠洋旋網漁業協同組合
https://www.osakana.or.jp
【野母崎】野母んあじ
樺島沖 旬/4月〜6月・10月〜12月
「野母んあじ」は、樺島沖で獲れた体長26センチメートル以上、重さ300グラム~500グラムの条件を満たすアジです。回遊せずに瀬に居ついて、漁場の豊富な餌で育ちます。
そして、一尾一尾大切に釣り上げたら、一切手を触れることなく活魚流通センターの生簀まで水揚されます。
丸々とした肉厚なアジは、程よく脂がのって、刺身にするとコリコリとした食感が楽しめます。
活魚流通センターでは、直売や地方への発送も行っています。
野母崎三和漁協 活魚流通センター
所在地:長崎市脇岬町3386-27脇岬北港埋立地内
TEL:095-893-1103
http://www.nomozaki-sanwa.net/html/katugyo.html
【壱岐】生うに (ムラサキウニ・ガゼウニ・赤ウニ)
玄界灘
紫ウニ 旬/4月上旬〜7月中旬
バフンウニ 旬/7月
赤ウニ 旬/8月〜10月初旬
壱岐島で獲れるウニの収穫期は春から夏にかけて。紫ウニにはじまり、ガゼウニ(バフンウニ)、赤ウニと、旬のウニが次々登場します。
なかでも、大粒で濃厚な甘みを持つ赤ウニは、希少でなかなか出回らないため幻のウニとされ、産卵前の10月頃が一番美味しいそう。
壱岐では、昔ながらの素潜り漁が盛んで、今も多くの海女・海士さんたちが活躍。壱岐の海を支えています。
壱岐の海女さんは、ウエットスーツではなくレオタードを着用して漁を行うことでも有名です。比較的、保温性が低いため、乱獲を防止することができるのだとか。
ぜひ、壱岐まで行ってお腹いっぱいウニを食べたい!!
【上五島】値賀咲(ちかさき)イサキ
上五島小値賀 旬/6月~9月
イサキは長崎県内全域で獲れ、その漁獲量は全国一位で約30割を占めます。
瀬付きのイサキを一本釣り!
「値賀咲(ちかさき)」は、長崎上五島小値賀町のブランドイサキです。
400g以上でウロコの状態が良いものとされています。
初夏から産卵期に入る6~7月のものは「梅雨イサキ」と呼ばれ、脂がたっぷりのって格別だとか。
【戸石】はも・かに祭り
毎年開催:7月下旬〜8月初旬の2週間
戸石では、毎年恒例!はも・かに祭り。
獲れたて新鮮なハモやワタリガニの直売が行われます。そして、夏が旬の岩ガキも。
オープニングイベントでは、ハモの解体ショーがみられます。
さらに、東長崎地区周辺の料理店7店舗では「はも・かに料理フェア」と題して、期間限定「戸石はも・かに御膳」を提供しています。
戸石フレッシュ朝市
所在地:長崎市戸石町2164-24 戸石漁港内
営業時間:7:00~13:00
定休日:火曜日