長崎市に唐人屋敷が建設された理由とは?179年の歴史と残された4つのお堂も紹介!

2.観光

長崎は中国との関わりが深く、今でも街の中は中国の文化や伝統を感じる建物が残されています。

その一つに長崎市中心部にある「唐人屋敷跡」が挙げられますが、みなさんは何故、何千人もの中国人がひとつの区内に集中して住んでいたか知っていますか?

今回は、唐人屋敷がどんな理由で長崎に建てられたのかを振り返っていきますね。そして市指定有形文化財になっている、現在残されている4つのお堂についてもご紹介します。ぜひ唐人屋敷跡を散策するときの参考にしてください。

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唐人屋敷が建てられた理由

中国文化との出会いの地

画像引用:あっ!とながさき

今から400年ほど前のことです。キリスト教・日本人の出入国や、貿易の制限をした「鎖国」という令を江戸幕府が出しました。

この鎖国令は1633年以降から何度も出されていて、1635年頃には中国と貿易ができたのは長崎港だけとなっていました。

来航してきた中国人は長崎市中に住むことが許されていましたが、密貿易が増えてきたことが問題となり、対策として中国人の居住地区を制限してしまいます。そこで1689年に建築されたのが唐人屋敷でした。

中国人をひとつの区域にまとめるだけでなく、唐人屋敷の敷地は二重に囲まれたり、日本人は遊女と僧侶だけが出入りできるなど、役人でも制限されたそうですよ。

中国人も一人での外出はできませんでしたが、団体であれば唐寺へ参拝することもできたので、長崎人との交流は少なくなかったと考えられています。

 

唐人屋敷から広まったもの

画像引用:長崎歴史文化博物館

今では長崎を代表するような行事はルーツを辿っていくと中国の影響であることが多いです。

例えば、龍踊り・精霊流し・ペーロンなどは、どれも唐人屋敷にいた中国人から伝わってきた風習です。中国人がまとまって住んでいたからこそ、伝統も伝わりやすかったのかもしれませんね。

 

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唐人屋敷の見所!残されている4つのお堂を紹介

中国文化との出会いの地

画像引用:あっ!とながさき

唐人屋敷の敷地内は多い時で2千人ほどの中国人が住んでいたといわれています。しかし、1859年に開国したことがきっかけで、多くの中国人は新地や大浦へ出ていってしまいました。ついには誰も住まなくなり、179年間存在した唐人屋敷は1870年に焼失しました。

現在は明治時代に修復改修されたお堂や、建設されたお堂が合わせて4つあるのでご紹介します。いずれも市指定有形文化財に指定されています。

 

①土神堂(どじんどう)

唐人屋敷の中で一番最初に建てられたお堂です。土地の保安・豊作の神様で、1691年に創立されました。

火事で焼失したり、老朽化で解体もされたりしましたが、長崎市によって1977年(昭和52年)に修復工事されました。

 

②観音堂(かんのんどう)

福建出身の唐船主らにより建てられたとされていて、本堂に観世音菩薩、商売繁盛の神・関帝が祀られています。

現在のお堂は1917年(大正6年)に改築されていますが、特徴的なアーチ型の入り口は唐人屋敷時代のものとされています。

 

③天后堂(てんこうどう)

航海安全の神・媽祖(天后聖母ともいう)を祀るために建てられました。当時船内に媽祖を祀り、日本に着いたら唐人屋敷の天后堂へ運んでいました。長崎ランタンフェスティバルでは、「媽祖行列」というパレードでこの様子を再現しています。

天后堂には関帝も祀られているので、関帝堂とも呼ばれています。

 

④福建会館天后堂

1868年(明治元年)福建省出身者に建設された、貿易商たちの会所です。開館本館は原爆により倒壊しましたが、天門と天后堂が残っています。

ここにも航海の神・媽祖が祀られていますよ!

※1897年に全面改築し、福建会館と改称しています。

 

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唐人屋敷へのアクセス方法

■路面電車■
「築町」電停下車、唐人屋敷まで徒歩約7分
長崎駅から電車で約8分

 

長崎ランタンフェスティバルの時期もオススメ

長崎ランタンフェスティバルでは、唐人屋敷も会場になっています。色鮮やかで、華やかな会場になっているので、この時期に訪れてみるのも面白いですよ!

混雑するので、ゆっくり巡りたい人は避けた方がいいでしょう。

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唐人屋敷
住所:長崎市館内町
電話:095-829-1193(長崎市文化財課)

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